フィルムカメラに移行して、また写真が面白くなった

去年の暮れ頃にフィルムカメラを買った。

特にものすごく大きな理由だとか、イベントがあってということはなかったのだけれども。友人が少し前ぐらいのタイミングでフィルムカメラを購入し、カリフォルニアで撮影した写真を見て。Youtube上でよく知るカメラマンがフィルムを始めたのを見て。….程度の特に大きな理由ではなかった。

それでもそれらの写真をみてすごく感動したのだと思う。その後いつも通りWeb上で、特に海外のリソースを食い散らかしてそのタイミングで自分に引っかかったものを購入した。

Pentax 6×7

我ながら今考えると、初めのカメラがこれっていうのも中々イカれてるなと思う。重いしデカイし、お世辞にもお散歩のついでに持っていくみたいな軽い気持ちでは持ち出せない。
ちなみに記事を書くにあたって改めて重さを測ってみたら写真のセットアップで2584gあった。所有しているMacbook Pro15 inch、iPad Pro 10.5 inch、iPhone XS Maxを全部足して、なんならもう一台iPad Pro分の重量を足してもお釣りが来るぐらい重い。
世の中知らなかった方が幸せな事もある。

重い、デカい、高い

大きさと重さを別にしてもランニングコストの問題がある。
フィルムはブローニーなので10枚しか撮れない。国内でPortra 400が一箱5000円を余裕で超えてくるのでどう頑張ってもフィルムの時点で1ショット100円以上する。
その上現像を頼んで、スキャンを頼もうものなら10ショットで3000円近くいっちゃう。
しかも35mmフィルムと違ってスキャンしてくれる所は限られるしフィルムのサイズが大きいのである程度の解像度でのスキャンも必要になってくる。

これだけディスってデメリットばっかりあげてきたのだけれど、嫌いなのかといったらむしろ全くの逆だったりする。買ったことを後悔したことは一度もない。レンズは評判通りめちゃめちゃ優秀、シャッター音はボディに負けない勢いでめちゃめちゃデカイ。シャッター音(というかミラーアップによる振動)は賛否両論あるのだけど、個人的にはかなり気持ちいい音だと思う、Leicaの真逆を行くアプローチ。書いていくとキリがないのでそのうち6×7のもう少し細かいレビューも別で書こうと思う。
色々デメリットもあげたけど、ファインダーの交換もできるし、木製グリップも見栄えが良い。色々なアプローチができるカメラだと思う。

Contax T2

もともと6×7を買う前から狙っていたのだけれども、程なくしてこちらも購入する。
おそらく中古市場(ヤフオク)での在庫が品薄だったんだと思う。持ち運びでいったらハナっから6×7は比較対象にすらならないんだけど、こっちはジャケット、ジーンズ、シャツの前ポケットとあらゆるポケットに入るし重量もそこまで気にならないのでバッグに常に忍ばせている。

そこまで細かいこと考えなくていい、

フルマニュアルの6×7と違いT2は絞り優先オートなので絞りさえ合わせればシャッタースピードもピントもオートでやってくれる。なんとなく日常を気楽に撮れる。ボディがチタン製なので中古の割にかなり綺麗だし多少ぶつけたりしてもビクともしない。よく比較されるYASHICAのT5とかはプラ筐体なので結構衝撃に弱いらしい。あと意外と電池持ちが良い、購入からもう少しで半年、5-6ロールは撮ってるけど一度も電池を変えたことがない。

6×7が可哀想なので、個人的にT2を使っていて気になる点を一応いくつか挙げておくと、
シャッターを切ったあとフィルムの巻き取りが自動なので、音が結構デカイ。6×7とは違った意味で結構主張してくるのでカフェとかで使うのは結構躊躇する。
やっぱりフィルムはシャッターを切ったあと自分で巻いてナンボだなと思うので、音の大きさも含めてここは結構気になる。
個体の話になるのだけれど、モード切り替えがオートフォーカスしか機能しない、購入先の説明文がずるくて購入時に気付かず、届いてから発覚した。モード切り替えがオートフォーカスしか機能しない。ただ実際他のユーザーもあっても使わないらしい。あとデジタルバックが購入時から付いてきたけど一度も使ったことがない。
6×7は露出計を積んでいないので、iPhoneのアプリで露出を合わせるんだけど、T2はその辺素っ気ない。こういう用途で全部フルマニュアルで撮りたいのかっていうとそういう事でもないのだけれど、暗い時なんかはシャッタースピードをマニュアルでイジりたくなる。

フィルムの撮影といってもいまだにカラーフィルムしか撮ってない、
モノクロの楽しみはLeicaを買った時にでも残しておこうと思っている。

フィルムの色味やグレインの質感に感動してフィルムで撮ろうと感化されたのだけれど、
撮ってから確認するまでの時間差がより出てきた画の感動を引き立てるんだと使ってみて感じた。そういった意味で本当に、記録ではなく記憶に残るものなんだと思う。

不便さも悪くない、

身の回りのApple製品は毎年どんどん新しくなっていくし、自分の部屋の電気は声でon/offできるし、夜にAmazonで頼んだものは次の朝には玄関に届けてくれる。
現代の便利さの恩恵を受けまくっているし仕事する上で少しでも無駄なフローは省きたいと思っている。でもプライベートだとか、感情に作用する部分っていうのは多少手間がかか流ぐらいが良いのかもしれない。コーヒーはコンビニで100円払えばすぐに出てくるけど、家で淹れた方が美味しいし精神的にもリフレッシュできる。フィルムで写真を撮るっていうのもそういう事なんだと思う。

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